山田城

別名- 付近住所 滋賀県草津市実南山田町 現在 草津市立武道館
2009/7/20 案内板アリ


山田氏  山田城は、鎌倉時代から室町時代にかけて、この地を支配した山田氏が住んだ城館です。山田氏は、志那・矢橋とともに当時の良港であった山田港を押さえるためこの地に城を構えたといわれています。
 平成12年、武道館建設に先立ち発掘調査を実施したところ、円形に巡る堀跡2条が発見されました。
 堀はそれぞれから出土した遺物より内側の堀が13世紀、外側が14世紀から15世紀にかけてのものとみられ、また、外側の堀内部から橋脚杭と思われる杭群が検出されたことから、ここが城の入口であったとみられています。そして、内、外の堀に時期差があることから、山田城跡は13世紀築城された後、幾度か城の普請があったものと考える事ができます。
 一方、堀の内部は、井戸跡を残して、すべて後世の開発により削りとられており、山田城に伴う建物跡などは残っていませんでした。
 しかし、今回の調査で発見された円形に巡る堀跡をもつ山田城は、全国的に例をみない形式の城館跡であり、市内に残る青地城とともに中世における草津の歴史を考えるうえで欠く事の出来ない歴史資料です。